当院の特色

栄養管理に関する取り組み

「口から食べる」にこだわる栄養管理

栄養サポートチームによる栄養管理

患者様の食事摂取の状態に対し、多職種からなるチームで総合的にサポートするNST(栄養サポートチーム)が活動しています。当院のNSTは、低栄養の患者様に対して栄養状態の改善をサポートするだけでなく、経管栄養の患者様を可能な限り経口摂取へ移行したり、患者様ひとりひとりにあった食形態への調整等「口から食べる」にこだわる栄養管理を実践しています。

栄養サポートチームによる栄養回診 NST稼働施設認定証

主な活動内容

1多職種からなるチームでのミーティングと回診

低栄養や摂食嚥下の状態でNSTが必要となった患者様のところへ訪問し、多職種で意見を出し合い、改善策を提案しています。

2経管栄養から経口摂取への移行

「チューブ」からの栄養摂取となってしまった患者様が再び「口から食べる」ことができるようにサポートしています。

3多職種の専門性を活かしたプランを作成

PTによる離床活動の推進、OTによる安全な姿勢や自助具の提案、STによる食事介助方法の提案等患者様1人1人にあわせたプランを作成しています。

4勉強会の実施

全スタッフを対象に栄養や摂食嚥下に関する勉強会を開催し、知識と技術の向上に取り組んでいます。

各職種の役割

医師 全身管理・基礎疾患の治療・VE/VF検査の実施・各スタッフへの支援
看護師 24時間の観察・食事介助・口腔ケア・脱水予防・排便コントロール
薬剤師 嚥下に関する薬の見直し・薬の副作用の確認 TPN/PPNの処方設計提案
管理栄養士 食事場面の観察/看護師との連携/排便、脱水のチェック/栄養状態の管理/食事内容の見直し/栄養アセスメント・治療計画方針の提案・栄養管理上の問題点の解決
言語聴覚士 間接訓練/直接訓練/他職種へのアプローチ/食べるための口づくり/肺炎予防/脳の活性化
理学療法士 頸部コントロール/体幹の強化/排痰・呼吸練習/咳をする力の向上
作業療法士 ポジショニング/自助具の提案/上肢機能の向上/食事動作練習

機能の検査


他職種協働で口から食べる機能の検査を行っています

嚥下造影検査(VF)

嚥下造影は、バリウムが入った液体や食物をX線透視下で食べたり飲み込んだりすることで嚥下運動や適切な食形態を評価、診断する検査です。
目的は2つに分けられ、症状を明らかにする「診断のための検査」と食物、角度や体位、摂取方法などの調節により治療に反映させる「治療のための検査」があります。
安全に嚥下し、誤嚥や咽頭残留を減少させる方法を探し、実際の訓練や摂食場面で用いられる有力な情報を提供します。
検査後、患者様の移行を勘案しながら医師や言語聴覚士、看護師、管理栄養士が今後の方針について話し合いの上決定します。

嚥下造影検査(VF)

嚥下内視鏡検査(VE)

嚥下内視鏡検査は内視鏡(ファイバースコープ)を用いて実施する嚥下機能検査です。
持ち運びが可能であるため、いつでもどこでも、一般の食品を用いて検査を行うことができます。
寝たきりの患者様でもベッドサイドで行うことができます。
実際に内視鏡で咽頭や嚥下を見ることができるため咽頭残留や誤嚥がよりわかりやすく確認することができます。
検査の目的は

  • 咽頭期の機能的異常の診断
  • 器質的異常の評価
  • 代償的方法、リハビリテーション手技の効果確認
  • 患者様・ご家族・スタッフへの教育指導
などがあります。

 

どちらの検査も嚥下障害が疑われた患者様に対し実施します。

食事のご提供


食のリハビリテーションのための豊富な食形態の食事を提供しています

一般食、治療食(糖尿病食、腎臓病食、心臓病食など)の食事を豊富な食形態(学会分類2013による)で対応し、提供しています。当院ではきざみ食を廃止し、見た目も良く、安全な嚥下調整食を提供しています。

嚥下食Ⅰ コード1j
嚥下食Ⅰ コード1j
ペースト粒なし食 コード2-1
ペースト粒なし食 コード2-1
ペースト粒あり食 コード2-2
ペースト粒あり食 コード2-2
ソフト食 コード3
ソフト食 コード3
移行食 コード4
移行食 コード4
一般食
一般食

地域連携


田川地区の食形態の連携に力をいれています

田川地区の各施設間での食形態の連携に力を入れ、退院先でも患者様が安全な食形態で食事が摂取できるように当院の嚥下食や食形態の基準を提供しています。